最近の記事

7月
高坂寮・訪問支援事業
7月
災害ボランティア活動を通じて
6月
更生支援事業団参与で矯正職員等有志によるボランティアグループ『志援』の取りまとめ役である山本氏から寄稿がありました
5月
市原青年矯正センター訪問
5月
愛すべき矯正医官
2月
令和7年の活動報告について
12月
日本司法作業療法学会に行ってまいりました
11月
府中刑務所文化祭に参加しました(令和7年)
10月
令和7年度東京拘置所矯正展に参加しました
9月
刑務官の力を社会へ

TOPIC

更生保護施設「高坂寮」で「訪問支援事業」について御教示いただきました。

代表理事  西 田 博

 高知市にある更生保護施設「高坂寮」の施設長ほかと懇談する機会を何度かいただき、同寮で行われている「訪問支援事業」について詳しくお聞きすることができました。

 「訪問支援事業」とは、更生保護施設を退所した者等に対して、退所後も改善更生を促進するために細やかな支援を行う(法務省HP等)もので、これが行われているのは、令和7年度時点で、全国で19施設、四国では高坂寮だけです。

 高坂寮では、この事業をどうやっているのか、また、その際、どんな御苦労があるのかなどを具体的に教えていただきました。

 対象は、退所者のうち、原則として高知県内に居住し、本人の同意がある者ですが、高坂寮では、選定、限定することはせず、基本的に退所者全員を対象としようとしているとのことでした。そして、社会福祉士など一定の資格を持っている者を含む2人以上の職員が、最長2年間、対象者を月2回以上定期的に訪問していました。

 訪問する職員は、住まい、仕事等生活基盤は守られているか、健康や生活のリズムは保持されているか、地域に摩擦なくなじめているか、生活上の心配や困りごとなど直面する問題はないか、犯罪傾向は抑えられているかなどを確認し、支援が必要と思われたら、日常生活に関する相談に乗り、高知市地域包括支援センターといった機関と連携しながら、就労支援、金銭管理指導、行政サービスの利用援助などを行っているとのことでした。

 ただ、対象者は、ほぼ全員が生活保護受給者や年金生活者であって貧困であり、加えて、薬物依存やアルコール依存など心身の問題、低学歴、高齢、病気、障害などからの就労の問題などがあり、金銭管理がずさん、多額の負債といった金銭的な問題なども抱えていて、月2回会うこととしているものの、訪問しても不在であったり、連絡がなかなかできなかったりで、会うこと自体が難しいことが多く、多種多様な御苦労があるようです。

 そういった状況でも、施設長以下職員の方々は、この訪問支援事業は息の長いものであり、孤独、孤立とならないように続けていくということを常に考えながら、これからも積極的に取り組みたいと言われていました。

 そして、高坂寮では、令和7年度末時点で、26歳から70歳までの23人が訪問支援事業の対象となっていました。

 「訪問支援事業」については、「再犯防止推進白書」などを見て知識としては持っていましたが、それに取り組んでおられる実情をお聞きすると、きれいごとでは済まない苦労の多いものであることが実感できました。

 お忙しい中、いろいろと御教示いただいた「高坂寮」施設長ほか職員の皆様にこの場を借りて厚く御礼を申し上げます。

 ありがとうございました。