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能登半島地震ボランティア手記
楠田舞紀(京都拘置所職員家族)
◆はじめに
私は大阪に住む47歳の女性で、損害保険会社に勤務しています。2024年1月1日に石川県能登地方を震源とした能登半島地震で、多くの家屋や建物が倒壊し、避難生活を強いられている状況を知り、少しでも力になりたいと考え、6月8日と7月13日、ボランティア活動に参加しました。特に印象に残ったのは、高齢のご夫婦のために荷物を運び出し、再建を手伝った経験です。この手記では、その活動を通じて感じたことを共有します。
◆活動のきっかけ
職場でボランティア活動をライフワークにしている同僚の話を聞いていたことや、幾度か活動に参加している夫のすすめもあり、私も何か役に立ちたいと感じました。夫の職場の方々で立ち上がったボランティアチーム【志援隊】先導の下、能登半島へ向かいました。主な活動内容は、倒壊した家屋や半壊した寺から荷物を運び出し、再建の手助けをすることでした。
◆活動の概要
活動は穴水町という地域で行われ、半壊した納屋やお寺の荷物を運び出し、整理する作業が中心でした。
◆活動の様子
炎天下、私はチームの方々と共に、半壊した納屋やお寺の片付けを始めました。特に印象深かったのは、老夫婦が住んでいた家屋に隣接された納屋からの荷物運びだし作業と、瓦運びです。納屋は倒壊し、車も全損していました。近日中に転居する仮設住宅でも復興支援がまだまだ追いつかず、不便な生活を余儀なくされるとのことでした。瓦礫の撤去や米蔵や冷蔵庫等の荷物の運び出しは想像以上に重労働で、冷蔵庫の中の食品やぬか漬けが腐ってしまって、悪臭が漂う空間もあり、片付けには時間がかかりました。特に蔵内の荷物運びは砂埃も多く、体力も消耗しましたが、他のボランティアの方々と協力しながら作業を進めました。また現場には水が湧き出している箇所があり、冷たい湧き水で顔を洗うと、疲れが少し和らぎました。高齢のご夫婦もとても喜んでくださり、私たちの作業を見守りながら「ありがとう」と何度も言葉をかけ、最後も手を振り見送ってくださいました。
◆活動を通じて感じたこと
今回のボランティア活動を通じて、多くのことを学びました。被災者の方々は厳しい状況にもかかわらず、希望を持って日々を過ごしていらっしゃる姿にこちらも勇気をもらいました。また、全国から寄せられる支援の輪も大きな力となっていました。自分自身も、他者を助けることで達成感や充実感を味わい、普段の生活では経験できない深い満足感を得ることができました。
◆おわりに
震災ボランティア活動は、私にとって大変貴重な経験となりました。今後も困っている方々のために自分にできることを積極的に探し行動していきたいと思います。復興支援はまだまだ続きます。この手記を読んでくださった方々も、ぜひボランティア活動に参加してみてください。小さな力でも、それが集まれば大きな支えとなることを実感できると思います。